SPECIAL

TVアニメ『メルヘン・メドヘン』
第十一話アフレコ後キャストインタビュー
楠木ともり(鍵村葉月)&加隈亜衣(アガーテ・アーリア)

――11話は衝撃的な展開でしたね。

加隈:日高里菜ちゃんと席が隣になることが多くて、ずっと「リンが好き」と言ってたんです。それに、この物語に悪い人はいないとも言ってたんですけど、11話の収録では結構なドロドロ展開になってて(笑)。しかもまさか自分のキャラクターからこんなことになるとは思わなかったんです! こんなことは想像してなかったなっていうくらい衝撃的でした。

――アガーテがあんなことになるとは予想外でしたよね。

加隈:上しゃま(上田麗奈さん)にも、「ゴメンね、心が痛い」と言われて。
楠木:そうですよね。アーサーに「アガーテ・アーリアという依り代」って、はっきり言われてましたもんね。
――アーサーとアガーテは、結構会話をしている印象がありましたから。

楠木:こんな形で距離ができてしまうとは! 10話まではヘクセンナハトも順調に進んで、このまま進んでいくんだろうなと思っていたら、この11話でいろいろなことが覆りすぎて。ヘクセンナハトは開催できないし、リンちゃんもとんでもないことになっているし、強いと言われてたアガーテさんも、まさかの戦わないんかい!っていう(笑)。取り込まれるシーンもアフレコしている時点での絵がすごく怖くて、そこに色がついたらどうなるんだろうって、なかなかのトラウマ展開でした。
加隈:どういうこと?って思った。口や目からアメーバが出てくるって何??って(笑)。
楠木:私、最初に読む前に葉月ちゃんのセリフに線を引くためにパラパラ見るんですけど、その時点で触手とかアメーバと書いてあって、ちょっと待って!と。
加隈:しかも今回2役だったよね!
楠木:そうなんです。急に言われて。テストのときは(シンデレラの声と葉月を)両方一気にやったんですけど、ボールドも追えないし、どうしようっていう。
加隈:それを後ろで見ながら、この子はパナいな~って思ってました(笑)。このままできるんじゃない?って。
楠木:でも本番で別で録ったときは、同時にやったほうがやりやすいかも?と思いました。逆に分けたほうが難しかったんです。
加隈:そうだったんだ。

――同時だと、差はつけられそうですよね。

楠木:シンデレラの声も、顔はまんま葉月だから、声を変えずに雰囲気だけ変えるのか、声を変えてしまったほうがいいのかで悩んで、テストではやりやすいほうでやろうと声を変えて言ってみたら、そんな感じでお願いしますと言われたので、良かったと。
加隈:数年後の葉月みたいな感じだったね。
楠木:普段から葉月は早口でワチャワチャした感じなので、大人な感じで諭すというのはやったことがなかったので新鮮でした。自分の中ではシンデレラというより静ちゃんを意識してやっているところがあって、普段から静ちゃんに諭されてる部分があるので、別人を想像するより静ちゃんを重ねたほうがやりやすいのかなと思って。
――ちなみに、加隈さんはどこに一番ショックを受けました?

加隈:アガーテは戦うとき、どうやって戦うんだろうってずっとずっと考えてたんですよ!
楠木:私も想像してました! 一番強そうだから、武器もピストルだし、どうするんだろう!って。
加隈:全12話と聞いていたし、10話まで戦ってないぞ、私!と思って。ついにここまで来たかと。あと2本なら、決勝戦だし2本分使うのかな? 見せ所だらけじゃん!って思っていたら、ちょっと待って!みたいな(笑)。
楠木:「魔法抵抗値は生まれついての特Aクラスです」っていうのもアガーテっぽいなぁって。変にひるむことなく、私なら全然いけるからみたいな。
加隈:私なら大丈夫!ってね。
楠木:で、学園長に叱られ、黒くなるという(同化吸収される)。
加隈:お偉いさんがダメって言ってるよ!と思いながらね(笑)。アガーテのすべてが振りだったんだなというくらい、あっけなくやられてしまいました。

――アーサーさんがあんなふうに思っていたことにショックを受けてたのかなと思ってました。

加隈:それももちろんあります! 依り代で片付けられる存在だったなんて!って。
楠木:何度も会っていたし、一番最初に静のもとを訪れるときも二人で仲良く来てたじゃないですか。その時点でこの子は依り代だからと思っていたと思うと、悲しい!って。
加隈:そう。しゃましゃま(上田さん)がセリフを言ったあと、心が痛いと言ってたから、「いいんだよ。次にいいことがある結果が見えてるから、今回、アーサーはあえてそういう悪役に徹してるだけだから、きっと!」って。
楠木:これ、また12話で裏切られませんか?
加隈:そうじゃなかったら、「ごめんね」っていうセリフに変えようねと話してました(笑)。

――アフレコでは、まず葉月とアガーテが会話してましたけど、その掛け合いはいかがでしたか?

楠木:小説では、定期的にアガーテが頭の中で考えている可愛い内面が書かれているので、アニメでやっと可愛いところが見られた!という感じだったんです。でも、アガーテとの受け答えにディレクションが入って、ごめんなさい!と。
加隈:そのあと「笑わないのか?」ってアガーテが続くところなのに、すごく赤ちゃんに言うように言ったんだよね。
楠木:お誕生日は~?って。
加隈:優しいかよ(笑)!
楠木:葉月ちゃんとしては、アガーテさんが人形と会話していることに対して何の違和感も持ってなくて、ホントに興味本位で言ったんだろうなと思ったんですけど、まさかそう聞こえてしまっていたとは思わず、申し訳ない!と。

――全然そんなつもりはなかったんですね。

楠木:全然! 食い入って、「お誕生日は?」と聞いたつもりだったんですけど、たぶんゆっくり言い過ぎちゃったんです。
加隈:でも、じわじわと楽しかったよ(笑)。
――ただ、このふたりの会話って大事ですよね。救いたいと思う動機にもなるわけですし。

加隈:そうですね。Bパートでメッサーシュミット(うさぎの人形)が瓦礫の下から出てきて、それを葉月が見ているというところもあるから。

――収録で面白かったことはありますか?

楠木:やっぱりイザベラさん(CV:清水彩香)ですね。ああぁああ~~(うめき声)のところが。私、笑いをこらえられなくて…。声を加工するからイザベラだけあとで録ったんですけど、他のキャラが緊迫感ある感じで「はぁ!」とか言っている中、何の前触れなく「あぁああぁあああ」(うめき声)ってくるから。
加隈:ずっとチューニングしてたじゃない、それも面白くて(笑)。そしたら周りもやりたいなぁって言い始めて、これ感染してくの!?って思った。常に呪われている子だから、そんな人が仲間だったんだなぁっていう(笑)。

――そのほか、印象的なシーンはありましたか?

楠木:学園長さんがちゃんと魔法を使っているのは、始めて見た気がします。
加隈:分身したりしてたけど、戦いの中では初めてだったよね。
楠木:しかも学園長さんって原書が明かされてないですよね。5話で学園長さんが過去の話をしたときも、原書について触れてなかったし。
加隈:分身するから忍者か何かかなぁ? あと、静が葉月のことをエースって言ってたよね?
楠木:言ってました! 台本を読みながら、私、エースなんだ!?って思いました。
加隈:そこにも愛情が伝わってくるよね。

――でも、エースと呼ぶにふさわしい謎の力はありますよね。

楠木:11話の最後のほうで、シンデレラと会うじゃないですか。そこでグラスハートという単語がアニメでは初めて出てくるんです。小説では何度か出てきたんですけど。で、その正体が何でも願いを叶える魔法ということで、それはヘクセンナハトの優勝特典と同じなんですよね。それも何か関係あるんですかね? でも、葉月は未熟過ぎるし、最後も「物語のエンディングは…自分で決める!」って言うんですけど、私としては「いや、かぼちゃを出すのと“お城”と、“グラスハート”もよくわからない状態のあなたに何ができるの! このピンチをどう切り抜けるつもりなの?」って、今思っています(笑)。
――いずれにせよ、グラスハートがキーになりそうですよね。初めて技っぽいワードだし。

楠木:“お城!”も、正直技感がなくて困っていたので、やっとです(笑)。
加隈:グラスハートは、なんかカッコいい感じだよね。最後は、みんなかぼちゃにして終わるかもね。

――ラストに期待することは?

楠木:次回では、まず今散りばめられている謎はすべて解決してほしいし、できれば葉月がグラスハートでエースの底力を見せてほしいです。
加隈:あとは静ちゃんを部屋に呼ぶ!
楠木:ヘクセンナハトが終わったら彼氏を連れてきなさいよってお姉ちゃんに言われてて、静ちゃんを連れてこようかってなってたから、どうなるんでしょうね?
加隈:Aパートで戦いが終わって、Bパーツずっとそれだったらどうする?
楠木:え~。でもこれまでも静ちゃんとのイチャイチャはよくカットされてたから、見てみたいなぁ。

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