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TVアニメ『メルヘン・メドヘン』第一話アフレコ後キャストインタビュー
楠木ともり(鍵村葉月)&末柄里恵(土御門 静)

小さい頃からの憧れを一気に叶えてくれた作品で、今、すっごく楽しいです!(楠木)

――お二人の出会いは……?

楠木:今日でお会いするのは2回目なんです。「東京ゲームショウ2017」の『メルヘン・メドヘン』ステージイベント以来お会いしていなかったので、久しぶりでした。

末柄:そういえば、オーディションのときも会わなかったもんね?

楠木:会わなかったですよね。ゲームショウで「初めまして」という感じでした。

――すでに仲が良さそうですが?

末柄:もう、すごくいい子で!

楠木:他の作品で加隈亜衣さんと共演したときに「スージー(末柄)はすごくいい人だよ!」って言われていたので、お会いできるのを楽しみにしていたんです。実際お会いしたら「優しい~!」ってなりました。

――お互いの第一印象はどうでした?

末柄:まず見た目からリアル女子高生で! 「制服だ!可愛い!」から始まったんですけど、中身も葉月ちゃんと同じようにすごく純粋で、本当にまっさらな状態からスタートしてるんだなって思いました。これから何色にも染まることができる、素直でいい子なんだなって思いました。

楠木:恥ずかしい……。

末柄:フレッシュでした!

楠木:もう今年で高校も卒業なので、そんなにフレッシュではないです(笑)。

――『メルヘン・メドヘン』の印象はどうでしたか?

楠木:最初は、魔法がある世界なので現実からは遠いファンタジーモノなのかな?と思っていたんですけど、お話を知っていくと、現実の世界と同じような身近さを感じるところがたくさんあって。友達との何とも言えない距離感だったり、どうやって仲良くなっていこうかという考え方だったり、魔法少女なんですけど、等身大の女の子の感情を持ったキャラクターたちに、とても共感できましたね。

――魔法少女モノの作品に参加してみていかがですか?

楠木:小さい頃から魔法少女系は大好きだったので「私がやっていいんだ!」と思って、すごくテンションが上がりました。

末柄:声優をやっている私たちは、やっぱりそういうファンタジーの世界への憧れがあったりするのなあと思います。葉月ちゃんも魔法少女への憧れがある子なので、キャラクターと気持ちが重なるところが多かったですね。

――中高生の頃は、ファンジター作品を見ると、本当にどこかにあるんじゃないかと思いますよね?

末柄:そうなんです! 今でも「あの扉の向こうには何かがあるかも!」みたいなことは思ったりします(笑)。

楠木:小さい頃から今まで続いてきている憧れ。自分が声優をやりたかったという憧れもあるし、そういうものを一気に叶えてくれた作品で、今、すっごく楽しいです!

末柄:私も「いつか魔法を唱えてみたい!」という気持ちがあったので、魔法を使える静ちゃんを演じていけるこれからがとても楽しみです。

――出演が決まってから、今日まで待ち遠しかったんじゃないですか?

楠木:すっごく待ち遠しかったです! 最初のビジュアルが公開されたときに、すぐにそれをスマホのホーム画面に設定して、未だにそのまんまなんですよ(笑)。アフレコが始まるのをとても楽しみにしていました。

――第1話のアフレコはどうでしたか?

楠木:初めてメインの役に決まった作品だったので「自分がやっていいの?」「できるかな?」っていう気持ちがあって、不安や緊張もあったんです。でも、葉月ちゃんの前向きな姿勢に気持ちが重なる部分もあって、葉月ちゃんから勇気をもらって背中を押してもらった感じがします。

――あまり緊張しているようには見えませんでしたが?

楠木:緊張より楽しみの気持ちのほうが大きかったので。アフレコでも、自分がしゃべっていない間は緊張しちゃうんですけど、読んでいる間は葉月ちゃんと一緒にいる感覚だから心強くて。今日は本当に楽しかったです。

末柄:第1話は登場人物が少ないこともあるけど、こんなに一人でずっとしゃべるっていうのはそうそうないと思う!

楠木:そうですよね。マイク前から動かなかったです。

末柄:セリフとモノローグが入り混じっている回だから、大変だったはずなのに、すごく堂々と演じていて、本当に初めてのメインなのかな?って思いました。ゲームショウでも思ったんですけど、センターとしての頼りがいを、私より全然年下なのに感じていて(笑)。

楠木:いやいやいやいやいやいやいやいや(恐縮)。

末柄:私もしっかりしなきゃ!って思っちゃいました(笑)。今日は葉月ちゃんが生き生きとしていたので、見ている私も楽しかったです。

――葉月を演じてみていかがでしたか?

楠木:設定としては引っ込み思案で人間関係が築けないというのがあるんですけど、どこか前向きで行動力もあって「芯のある子だな」ってずっと感じていました。まさに「シンデレラ!」っていう感じの、しっかりした真っ直ぐな感じを演技で出せたらいいなと思いました。

――静はいかがでした?

末柄:大きな名家に生まれたからこその、しっかりしなきゃっていう気持ちやプレッシャーがこの子の根本にはあって。でも、年相応な女の子らしさというのもあって、今回はそういう普段なかなか出ない部分……葉月ちゃんと出会って、ちょっと戸惑ってしまうようなところが出ていたんだろうなって思いました。
 静のそういった素直な感情の部分は大事にしたいと思いました。それから、名家出身で、日本人らしい奥ゆかしさも持ち合わせていると思うので、そのへんも今後出せていけたらいいなと思っています。

――監督からのディレクションはありましたか?

楠木:最初、モノローグから入ったのもあるんですけど、引っ込み思案であたふたしちゃうところをもっと出したほうがいいのかなって思ったんです。でも監督方と話していく中で、そのあたふたさえも行動力に変えていくような“隠れた強さ”みたいなものをもっと出したほうがいいんだと思いました。でも、そのあたふたさがちょっと面白いというか、変わっている子なので、はっちゃけるところは思いっきりやろうと力を入れていました。

末柄:リアクションが素晴らしかったと思う!

楠木:ふっとばされるシーンですよね! 「うばばばばー」って(笑)。

末柄:素晴らしかった(笑)! 私は、オーディションから期間があったこともあって、確認はありました。ここまでやっていいのかな?っていうのを確認するというか。静ちゃんはこれから説明したりするセリフも出てくると思うので、そこであらためて詰めていけたらと思います。

楠木:私もオーディションからすごく時間があったから不安でした! どんなだったっけ?って。私、これが初めてオーディションを受けに行った作品で、しかも初めて受かった作品なんです! でも、当時受けていたときと考え方や感じ方も変わってきているから、今日はそういった意味で答え合わせみたいな感じでした。

末柄:私も自分の中で膨らませていたものを出せたらいいなと思ってました。

葉月ちゃんと早くイチャついてくれと思っています(末柄)

――第1話で印象に残ったシーンはありますか?

末柄:カザンさんが葉月ちゃんを追いかけるシーンで、カザンさんが「おまえ、そんな格好で恥ずかしくねぇのか」って言うところが面白くて(笑)! 誰のせいですか?と。

楠木:ツッコミどころが満載すぎますよね(笑)。

末柄:その流れが大好きだったから、今日聞けるのを楽しみにしてました。でもカザンさんが親切なのは、そこで原書を使えば洋服が手に入ると教えてあげるところですよね。「優しいじゃん!」っていう(笑)。

楠木:ただのヤンキーの人じゃないって思いました。

末柄:私は、そこで笑うのをこらえるのが大変だったよ。

――その前にいきなり温泉に入っている流れは突拍子もないですよね。

末柄:そうなんですよ、学園長がね。家庭菜園もしてるし、行動力があるというか何というか……。

楠木:葉月に並ぶ不思議ちゃんな感じがしましたね(笑)。

末柄:あそこ、温泉を勧められてどんな心境で入っていたの?

楠木:もう無心だったと思いますよ(笑)。

末柄:流れに身を任せていたんだね。

――前半はどうでした?

楠木:前半部分だとPVにも出ていた図書館に入るシーンとか、どんどん魔法の世界に入っていくシーンが、あこがれを持っている身としてはすごくドキドキしたというか。セリフは多くないけどワクワクしたので、見ていただいたみなさんにも、そのドキドキ感を感じてもらえたんじゃないかなって思います。

末柄:前半は物語の布石というか。買ってないはずの本があるとか、そういうシーンが散りばめられているから、視聴者のみなさんも、葉月ちゃんと一緒にそういう気持ちを味わってもらえたんじゃないかなって。

楠木:見ている30分間、ずっとドキドキワクワクしていただけたと思います!

――前半のドキドキと後半のドキドキは、また違う感じでしたね(笑)。

楠木:他の子としゃべれないような子が、急に知らない子に裸を見られちゃうわけですからね……(笑)。

末柄:それ、だいぶすごいよね。

楠木:事件ですよ!

――本当に友達がいない子なのかってくらい、はっちゃけていて。

末柄:でもこんなに可愛い子だったら、私だったら友達になりたいって思うのに、みんな話しかけないのが謎でしょうがない!

楠木:多分引っ込み思案過ぎて、端から見たら迷惑なんでしょうね。

――自分から拒絶してるところもありますよね。

末柄:だからこそ、これからの成長も楽しみのひとつだと思います!

楠木:葉月の(実の)お母さんの一言がすごく重みがあって。小さいときに聞いたちょっとした一言ってずっと残るじゃないですか。それがやっぱり葉月の今を作っていると思うし、お母さんと葉月の関係性も見どころだったと思います。

――リアクションやアドリブで面白いところはありました?

楠木:葉月が加速するシーンがあったんですけど、叫び声がアドリブだったんです。最初は普通に「わ~~~!」って言ってたんですけど、「もっと激しくお願いします」と言われ、頭の中でどうしようどうしようって。でもここは葉月の本気だろう!と思って。引っ込み思案とかは全部捨てて出たのが「おららららららーー」でした(笑)。

末柄:めちゃめちゃ可愛かった!

楠木:普段、あんなに高いテンションで動かないですから。だいぶ葉月ちゃんに憑依してもらわないといけないなって思いました。

末柄:収録中は、ともりちゃんの、葉月ちゃんに近づこうって気持ちがすごく伝わってきたな。ともりちゃんが演じている姿を見ていたら、そこに葉月ちゃんがいて、一生懸命、体を使って表現しているんだなって思うんです。第1話なのに感慨深かったです。

――葉月を通して、楠木さん自身も成長できる感じがしますね?

楠木:そうですね。葉月ちゃんと一緒に成長していきたいと思います!

――1話の段階ですが、気になるキャラクターはいましたか?

楠木:私は、美沙お姉ちゃんかな。完全に葉月と真逆なんですよ。今、距離感がお互いにつかめないでオドオドしてるんですけど、そこをどうやってわかりあっていくのかが気になりますね。
 実は私も姉がいるんですよ。私は姉との距離感はわかっていますけど、葉月ちゃんは家庭の事情があって、思春期の中で出会った義姉という存在なので、近づきにくいんじゃないかなってすごく思うので、今後、家族とどういう関係を築いていけるのかが、親目線で気になっています。(義母の)冴子さんもキツイ感じだからハードルが高そうですけど。

末柄:私はカザンさんがとても気になっています。可愛くて! 気が強くて近寄りがたいところもあるんですけど、そこから踏み込んだときに可愛らしい姿が見えるんじゃないか、みたいな。ちょっと髪の毛がざんばらな感じとかが大型犬みたいで好きです(笑)。わしゃわしゃしたいです! でも怒られるかなぁ。

楠木:それを考えると、まだ1話だから本性が出ていないというか、誤解されやすい人が多いですよね。踏み込んだらいい子なのに、接し方が不慣れとか、思春期特有の空気を感じます。

末柄:それと得体の知れない学園長ね。ずっとどんな先生になるんだろうって、楽しみだったんです。今後いい意味でしでかしてくれるところがありそうですよね。静ちゃんと学園長が2人で会話するシーンもあったので、何を画策しているのか気になっているところです。

――今後、葉月たちも変身したりするんですよね?

末柄:シンデレラの原書で、葉月ちゃんがいつ変身するのかも気になりますし、第1話だとカザンさんが変身していたので、みんなの変身した姿が楽しみですね。女の子が夢見てきたような変身シーンもあるみたいですよ!

楠木:キュンキュンですね!

末柄:変身した姿がみんな可愛いのも見どころだと思います。あとは葉月ちゃんと静の仲もすごく気になるので、今後の展開を私自身楽しみにしています。

――では最後に、それぞれ演じているキャラクターにメッセージをお願いできますか。

楠木:葉月へ。今は自分に自信がない状態だけど、今のままやっていけばきっと大丈夫! 第1話で素敵な出会いをしているので、その出会いを大切にしてほしいなと思います。あとしゃべりすぎているので、もっと落ち着いてください。心の中も外も落ち着いてくれたら、もうちょっと安心して見ていられるよ。

末柄:静ちゃんの持っている使命もあって、努力しすぎて抱え込んでしまって、それを外に吐き出せないところもあるので、今後、闇落ちしないか心配です(笑)。もっと単純にできることがたくさんあると思うけど、できないからってないがしろにはせず、私も支えるから、最終話まで二人三脚で頑張っていこうね! あと、葉月ちゃんと早くイチャついてくれっ(笑)!

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